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青い傘  [朗読]

こえ部で朗読していただきました。




わたしはずっと電話がかかってくるのを待っていた。
雨が降り続く中、雨宿りもせず公園のベンチに座っていたのでもうずぶぬれになっていた。
ポケットに入れた携帯が壊れても知らないからね。
この携帯、防水じゃないんだから。
こっちからかけなくても、傘があるかどうか心配して電話をかけて来ないあんたが悪いんだからね。

雨が急に止んだ。
同時にあたりが青くなった。
青い傘をさしかける彼の笑顔があった。

扉が開いた (ツイッター小説朗読) [朗読]

こえ部で朗読していただきました。





扉が開いた


扉が開いた。
僕が開けと思うとそれは開く。

男が死んだ。
僕が死なせようと思えばどんなに強い男だって死ぬ事になる。

世界が滅びる。
僕がそういう物語を作れば世界さえ滅びるのだ。

君が泣いた。
君が僕から去って行った。
もう二度と会えなかった。
僕の中の君の思い出は、どうにも書き変えようがなかった。

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